高い気圧で「空気」を吸うと、なぜ危険なの?

神戸大学教授(医学/博士) 藤野英巳


高い気圧の環境では、酸素だけでなく空気中の“窒素”も血液に多く溶け込みます。ところが、この窒素は血液から抜けにくい性質があるため、体内に滞留しやすく、トラブルの原因になり得ます。さらに、気圧を上げるほど「気圧外傷(耳や副鼻腔の圧痛など)」のリスクも高まります

安全のための考え方

「気圧をどんどん上げれば効果も上がる」わけではありません。必要以上に気圧や酸素濃度を上げると、気圧外傷や活性酸素の過剰発生などの副作用リスクが高まるとされています。

“軽度高気圧 × 高酸素”設計

軽度高気圧(約1.25〜1.3気圧)かつ酸素濃度35〜40%未満という、からだにやさしく効果的な範囲を基本としています。この範囲は、酸化ストレスを増やさず有効に活用できると示されている目安です。

この環境なら、余計な窒素の取り込みや気圧外傷のリスクを抑えつつ、血液に溶け込む“溶存酸素”をしっかり増やせるため、身体のすみずみまで酸素が届きやすくなります。

医療用の高気圧酸素治療との違い

医療機関で用いられる治療器は2気圧以上かつ100%酸素の場合があり、治療目的に限定されます。私たちの製品は日常利用に適した軽度高気圧で設計が異なります。


まとめ

  • 高気圧で「空気」を吸う=窒素も増える/抜けにくい → リスク。
  • 安全性と効果のバランスが取れた1.25〜1.3気圧・酸素35〜40%未満を推奨。

参考文献

・月刊陸上競技2024年9月号記事

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